労災疾病医学研究普及サイト「医療従事者の安全」について(ご案内)
抗がん剤は、がん細胞に対してその効果を発現する一方で、その作用機序から、正常な細胞に対しても悪影響をもたらすものが少なからずあります。
抗がん剤の調整時に発生するばく露により、医療従事者が健康被害を受けるリスク(職業性ばく露)については、日本国内外ともに多数の報告がされており、近年では、我が国でも抗がん剤の取扱いに関するガイドラインや手順書が策定されているところです。
しかし、その妥当性についてはエビデンスが少なく、十分に評価されているとは言えません。
そこで、本研究では、抗がん剤を取り扱う医療従事者の職業性ばく露のリスク削減を目指して、実際の抗がん剤調整時の作業手順の検討を行いました。
ばく露の原因と推定される作業工程を分析し、各作業での操作方法について仮説を立てて実験・検証を実施し、これにより得られたエビデンスを基に、最適化した抗がん剤の取扱手順書を作成し、さらには、手順書を基にした映像資料を作成し、各現場での低飛散手技や手順の実施を促しました。
その結果、労災病院4施設において飛散量調査を実施したところ、手順導入前と比べて、実際の実務下における抗がん剤の飛散量がより減少しました。
本研究の詳細については、こちらをご覧ください。
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