労災疾病等医学研究普及サイト「病職歴データベースを活用した研究」について
労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について時宜に応じた研究に取り組んでおります。
〇今回は、「病職歴データベースを活用した研究」についてです。
〇労災病院グループでは、全国の労災病院の入院患者さんにご協力を頂いて、これまでの仕事や生活習慣等に関する調査を行い、データベース化を進めています。また、本データベースを用いて職業と疾病との関連性について研究し、その研究成果は労働者の病気の予防・治療・職場復帰支援に活用しています。
〇病職歴データベースの大規模データを用いて、成人における飲酒習慣と白内障罹患リスクの関係性について研究した結果は「Scientific Reports(2022)12:20142」にて報告しました。
〇労災病院の入院患者のうち40~69歳を対象として解析を行った結果、男女とも障害飲酒量の増加に伴い白内障手術のリスクは増加し、男性では生涯累積摂取量90drink-years以上、女性では生涯累積摂取量40drink-years以上でリスクが有意に増加しました。
〇飲酒量と白内障の間には正の用量反応関係が認められたことから、飲酒制限は白内障の進行抑制に役立つ可能性があることが示唆されました。
〇研究論文は以下のリンクからご覧になれます。
論文タイトル:『Alcohol use patterns and risk of incident cataract surgery : a large scale case-control study in Japan』(病職歴調査研究班 深井 航太先生)
リンクURL: https://www.research.johas.go.jp/bs/index.html#results
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