労災疾病等医学研究普及サイト「脊柱靭帯骨化症」について

労働者健康安全機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について時宜応じた研修に取り組んでおります。今回は「脊柱靭帯骨化症」についてです。

脊柱靭帯骨化症は、脊柱管内の靭帯(後縦靭帯・黄色靭帯)が骨化することで脊柱可動域が低下したり、脊髄が圧迫されることにより四肢麻痺などの神経障害を起こす疾患で、特定難病にして指定されています。予防的治療法や治療薬剤はなく、脊髄圧迫症状を生じた症例には手術が行われますが、術後に後遺症を残すことが少なくありません。手術対象者としては勤労世代である中高年が多く、治療成績は術後のADLや復職状況に大きく影響します。

当機構では、脊柱靭帯骨化症に対する手術治療成績の調査、合併症の少ない最適な手術方法の確立、動物モデルによる治療薬探索などを目的とした以下の3つの研究課題を設定し、令和5年度から開始しています。

①勤労世代に多い、脊柱靭帯骨化症に対する手術の後ろ向き調査

②勤労世代に多い、頚椎後縦靭帯骨化症に対する手術の前向き調査

③脊柱靭帯骨化症疾患感受性遺伝子に着目した基礎実験研究

50歳代前後の壮年期に発症することが多い脊柱靭帯骨化症に対する手術成績が向上し予防的治療が確立すれば、勤労者医療に大きく貢献するものと考えています。

本研究の詳細については、こちらをご覧ください。

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